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昨今、ニュースやSNSなどでよく見かける「LGBT」「LGBTQ」「LGBTQ+」という言葉。気になっている方も多いのではないでしょうか。
既に市民権を得ているように思われる概念ですが、実は、「SDGs」の目標には明記されていません。何故でしょうか?
その現状を世界の視点から見ると、気づかされることが多々あります。
「LGBT」「LGBTQ」「LGBTQ+」とは?
「LGBT」「LGBTQ」「LGBTQ+」等、世間での呼び方は年々拡大してきていますが、大きな意味合いとして「セクシュアルマイノリティ(性的少数者)」の総称となります。(以下「LGBTQ+」と言う)
これらは、
- L=Lesbian(レズビアン=性的指向が女性に向く女性)
- G=Gay(ゲイ=性的指向が男性に向く男性)
- B=Bisexual(バイセクシャル=性的指向が男性・女性のどちらにも向かう人)
- T=Transgender(トランスジェンダー=心と体の性が一致しない人)
- Q=Queer / Questioning(クィア / クエスチョニング=LGBTに当てはまらない性的マイノリティ / 性的指向・性自認が定まらない人)
の頭文字に、更に「+」(など)を繋げた略語です。
「性的指向(Sexual Orientation)」とは、恋愛感情または性的感情の対象となる性別についての指向のことを言います。
また、「性自認(Gender Identity)」とは、自己の性別についての認識のことを言います。
「性的指向」や「性自認」はすべての人に関する概念で、その在り方は人それぞれです。
「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは?
「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193ヵ国が2030年までに達成することを掲げた「持続可能な開発目標」となります。
17のゴールと169のターゲットで構成されており、誰一人取り残さないことを誓っています。
出典:国連広報センター (UNIC Tokyo)
「SDGs」17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
「LGBT」「LGBTQ」「LGBTQ+」が「SDGs」に明記されない理由
実は私は最初、「LGBTQ+」は、「SDGs」内の「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」に含まれるのでは、と思っていました。
しかし、「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」の詳細を見てみると、「男女平等の実現」や「女性の地位向上」を主眼としているようです。
そこで調べた結果、以下のような事情から、「SDGs」の目標に明記されないことがわかりました。
外務省のデータ によると、現在、世界の国の数は196ヵ国と言われており、国連加盟国数は193ヵ国となります。
しかし、そのうち、
- 合意の上で行われる同性間の私的な性行為を犯罪とする
- 合意の上での私的な同性間の性行為について死刑を法定刑として定めている
- 「女装(cross-dressing)」「なりすまし(impersonation)」「変装(disguise)」などトランスジェンダーの人々の性自認や表現を犯罪とする法律を設けている
国々が1/3以上あると言われています。
このように各国で法的抑圧を受けている「LGBTQ+」の人々の発展を、今はまだ「SDGs」の目標の1つとして積極的に定めることができないという現状がありました。
確かにシンガポールでも、2022年までは男性間の性行為を法律で禁じていました。同性婚も認められていません。
そのような状況で、なんとなく「SDGs」に「LGBTQ+」の目標も含まれていそう、という考え方は安易だったと反省です…
人々の考え方は多様ですから、大変難しいことではありますが、互いに一方的に強要することなく、より良い形で共存できる社会を目指したいですね。
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