更新情報
厚生労働省による「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書の最新版が、2024年5月17日に公表されました。
3年ぶりのアップデートに伴い、当サイト内の資料も更新しました。
パワハラ事案が発生しても、デリケートな内容ですので、基本的に関係者以外が知ることはありません。
だからと言って、勤務先企業で発生していない根拠にはなりませんし、実は身近で生じている可能性もあります。
この章では、厚生労働省が公表している「職場のハラスメントに関する実態調査」資料の情報を見ながら、パワハラ事案に関する生々しい現場の状況を見てゆきたいと思います。
数字で見るパワハラ現場の実態について
まず、パワハラをされたと感じた場合、もしくは、パワハラを目や耳にした人が、実際はどのようなアクションを取っているのか、該当資料から見てゆきたいと思います。
※クリックすると、画像が拡大されます。
上記の調査結果を見ると、「何もしなかった」という結果が36.9%と一番高い結果にはなっていますが、社内・社外のいろんな所へ相談している実態も見ることができます。
パワハラに関する考え方が世間により一層浸透し、企業の相談体制も整ってくれば、相談する人の比率は増えてくるものと思われます。
逆に、パワハラを認識した企業側の対応は、どのようなものとなるでしょうか。下記の調査結果をご覧ください。
※クリックすると、画像が拡大されます。
こちらも「特に何もしなかった」という結果が53.2%と一番高い結果にはなっていますが、企業側は相談に乗ったり、事実確認を一定数行っていますので、今後一層、企業側の対応実績は増えてくるかと思われます。
ちなみに、企業側が「特に何もしなかった」要因のひとつとして、次のような課題(判断や取り扱いの難しさ)があったからではないかと想像できます。
※クリックすると、画像が拡大されます。
しかし、企業側が具体的なアクションを取らなかった場合でも、パワハラ容疑自体は認識されています。
パワハラ容疑がかかっていながら、事実確認を受けないということは、弁明・説明の余地が与えられていないことに他なりません。容疑をかけられている人にとっては、むしろ非常に危険な状況です。冤罪(例えば、適切な指導であって、パワハラには該当しない場合)であっても、企業側からは「パワハラ人材」のレッテルが貼られてしまう恐れがある為です。
パワハラ事案が発生しないことが一番ですが、残念ながら起きてしまった場合は、正しく事実確認が行われてこそ、改善・解決の道があります。企業の迅速な取り組みがより一層、求められる風潮は強まると思われます。
実際の裁判例について
パワハラで訴えられている実例は、以下のサイトから複数の切り口で検索することができます。
もし、普段の行いに「ドキッ」とするものがある方は、下記サイトで検索してみることをおすすめします。
裁判所が判断する際の具体的なポイント(パワハラを認める裁判例・パワハラを認めない裁判例など)が見え、とても参考になると思います。
まとめ
「パワハラの現場情報」について、まとめ情報は以下の通りです。
この記事のまとめ
- 厚生労働省の令和5年度調査によると、パワハラ事案に対して「何もしなかった」という結果が見える反面、相談や調査等を行っているアクション実態も見える。
- 「パワハラ防止法」の施行により、今後一層、企業側の対応実績は増えるものと予想される。
- パワハラ容疑者は、冤罪(例えば、適切な指導であって、パワハラには該当しない場合)であっても企業側から「パワハラ人材」のレッテルが貼られてしまう恐れがある為、企業側のアクションは、被害者にとっても、容疑者にとっても、重要。
- 自分自身の言動を見直す為、実際の裁判例を確認することもおすすめ。